「離婚成立、その瞬間。全ては仕組まれていた復讐劇」

「これで運命の人と新しい人生を歩めるね！金銭苦なんて忍び恋の切なさに比べたら平気だね♪おめでとう」――そう告げて弁護士を大笑いさせたその日、ついに私は離婚を勝ち取った。
夫はハゲあがり、浮気相手は激太り、姑は情緒不安定。
彼らの変わり果てた姿を見届け、私は静かに席を立った。

だが、その直前、私たち家族と夫、姑、浮気相手、そして私の両親が顔を揃えた話し合いの場があった。
夫や姑、浮気相手が謝罪や責任転嫁の言葉を並べるたび、私は淡々と、証拠のラブラブメールから引用して返答し続けた。
弁護士は堪えきれず笑い出し、私の側は終始和やか。
だが、向こうの顔色だけはどんどん青ざめていった。

この結末に至るまで、私は綿密に準備を重ねてきた。
夫の浮気メール全文コピーとホテル出入りの証拠写真、弁護士の連絡先、私の心情と舅の闘病記録を手紙に添えて親戚一同や夫、浮気相手宅に送りつけたのは、舅が危篤になったその日のこと。
姑と夫を病院に送り届けた後、私は子どもを連れて実家へと逃げた。

すべての始まりは、夫の浮気発覚からだった。
ちょうど舅が癌で余命半年と診断された時期。
家事、子育て、パート、病院通いに追われる私をよそに、夫は出張と偽って浮気相手と一週間の旅行に出かけていた。
ハートマークが飛び交う「旅行楽しかったね」とのメールを見つけた瞬間、私は離婚を決意。
auのメール保存サービスをこっそり登録し、真っ黒な証拠をすべて保存した。
田舎のホテルはたった2軒。
待ち合わせの時刻もメールから把握し、私は自力で証拠写真を手に入れた。

さらに時計の針を巻き戻そう。
結婚と同時に同居を始めたものの、私の方が収入が高いことを夫は嫌がり、私は社員からパートへの転向を余儀なくされた。
やがて親戚からは孫を催促され、家事全般を押し付けられた。
旅行も外食もできないまま、5年間が流れていった。

こうして、私は長い年月をかけて溜まった理不尽への怒りを、緻密な計画に変えた。
最後に私が要求したのは、私の実家が夫の実家に貸した借金の一括返済。
土地も家も担保に入り、姑は無年金、夫はリストラ。
払えるはずがないことを知っての「無茶振り」。
短期間で集中的に追い込んだ末、分割返済にして“情け”をかけた。

「すべては私の計画通りだった。
」
それが、この復讐劇の真の意味だ。