親族の食卓に潜む“家庭の味”の違い　おむすび作りに見る世代間ギャップ

親族の集まりで「おむすび」の作り方をめぐる一幕――家庭料理に潜む世代間ギャップが浮き彫りとなった。
2024年春、関東地方在住のAさん（30代女性）が夫の親戚宅で取材に応じ、その顛末を語った。

■「あなたのお母さん、そんなことも教えないの？」
Aさんは、夫の親戚とともに台所でおむすびを作っていた。
おひつに入ったご飯全体に塩を振る方法を初めて目にしたAさんは、「こういう方法もあるんですね」と率直な感想を口にした。
その直後、同居する義母が「あなたのお母さん、そんなことも教えないの？」と、半ば冗談めかして笑ったという。

■やり方を聞けば「何も教えていない」と言われ…
Aさんは「義母は私がやれば『そんなやり方教わったの？』、聞けば『何も教えてもらってないの？』と言う。
どう対応すればいいか」と、その場で義母本人に問いかけた。
義母は顔を赤らめ、周囲の親戚たちは大きな笑い声を上げたという。

■親族間で生まれる“家庭の味”と価値観
Aさんによると、「素直な疑問を投げかけただけだったので、気まずさもあったが、親戚たちが和やかに笑ってくれたことで救われた」と振り返る。
こうした場面は、家庭ごとの「当たり前」が異なることを象徴している。

■専門家「家事の“正解”は多様」
家族問題に詳しい社会学者・田中美沙氏は「料理や家事をめぐる価値観の違いは、親族間のコミュニケーションでよく見られる。
大切なのは互いのやり方を否定せず尊重する姿勢だ」と指摘する。

今後、家庭内外での「食」の作法や価値観の違いが新たなコミュニケーションのきっかけとなる可能性もある。
読者の家庭では、どのようなおむすびの作り方が受け継がれているだろうか。