○自宅・庭(夕方)
登場人物:
ユキ(40代・ガーデニング好きの主婦、温和で少しおっちょこちょい)
カオリ(30代・近所のママ友、華やかで世話好き)
(ユキ、軍手をつけて花壇の花に水やりをしている。
微笑みながら花に話しかける)
ユキ:(優しく)
「今年も綺麗に咲いてくれて、ありがとうね」
SE:鳥のさえずり
(ふと、足元に花がごっそり抜かれた跡を見つける)
ユキ:(驚いて)
「え…また…?」
(目を伏せて、抜かれた土をそっと撫でる)
(間)
○自宅・リビング(夜)
(ユキ、スマホを片手にソファに座る。
警察に電話中)
ユキ:(声を抑えて)
「はい…あの、庭の花が何度も盗まれてて……はい、草花なんですけど……」
SE:電話の向こうで淡々とした警察官の声
警察官(声のみ):
「お花くらいで警察はちょっと…防犯対策をおすすめします」
(電話を切ったユキ、がっくり肩を落とす)
ユキ:(苦笑しながら、ため息)
「…やっぱり、相手にされないか」
(窓の外を見つめて)
○自宅・作業部屋(翌朝)
(ユキ、100均の素朴な鉢を手に取り、ペンでデコレーションし始める)
ユキ:(心の声)
(少しだけ意地悪な気持ちで)これなら、持っていくのをためらうはず…
(ミントの苗を植え、「草花を勝手に持って行かないで!」と書いた札を添える。
札には泣いている花のイラスト)
○自宅・庭(数日後・朝)
(ユキ、庭に出る。
鉢植えがなくなり、札が踏みつけられているのに気づく)
SE:風の音
ユキ:(声を震わせて)
「また…こんな…」
(しゃがみ込み、踏みつけられた札を拾い上げる。
その目に涙)
(BGM:切ない曲調に変わる)
○近所・カオリの家の庭(数日後・昼)
(カオリの庭。
ミントが大量に繁茂している。
カオリ、必死の形相でミントを抜いている)
カオリ:(泣きそうな声で)
「なんで…こんなに…ミント、もういや…!」
SE:草を抜く音
(カオリ、ミントの山のそばに座り込む。
その傍らには、割れたユキのデコレーション鉢)
カオリ:(涙をこらえて)
「除草剤も使えないし…どうしたらいいの…」
(カメラ、ゆっくり割れた鉢に寄る)
○自宅・庭(夕方)
(ユキ、花壇に新しい花を植え直している。
ふと遠くのカオリの家の庭を見やる)
ユキ:(小さく呟く)
「花も、ミントも…みんな、帰る場所を探してるのかな…」
(遠くを見つめて、そっと微笑む)
N:
それぞれの庭で、静かに季節が巡っていく。
(BGM:フェードアウト)
スカッとする話:消えた花とミントの罠~小さな庭に咲く涙~
消えた花とミントの罠~小さな庭に咲く涙~
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