モーニングタイムの奇跡〜喫茶店で交差する笑顔とハプニング〜

○喫茶店・ホール（朝）

（店内は朝の活気で賑わう。
カウンター越しにコーヒーの香りが漂う）

N：大昔、まだ学生だった私は、町の小さな喫茶店でアルバイトをしていた。

（BGM：軽快な朝の音楽）

○同・ホール（モーニングタイム）

（制服姿のアルバイト・ユミ（19・少しドジ）が、トレイにコーヒーカップを乗せて、テーブル席へ向かう）

テーブルには、上品なマダムたち4人（50代・華やかな雰囲気）が談笑している。

ユミ：（緊張しつつも笑顔で）（テーブルにコーヒーを丁寧に置く）
「お待たせしました。
ホットコーヒーでございます。
」

（マダムたち、にこやかに頷く）

ユミ：（焦りながら）（心の声）
（やばい…忙しすぎて頭が回らない…）

ユミ：（つい口を滑らせて）
「ごっくりどうぞ…！」

（間）

（マダムたち、目を丸くしてユミを見る。
二度見）

（全員、固まる）

（ユミ、顔を赤らめる）

ユミ：（苦笑いで、フォローしようと）
「あっ、いえ…ごゆっくりどうぞ！」

（マダム４人、顔を見合わせて笑いをこらえる）

マダムA：（満面の笑みで）
「ありがとう、いただきますね。
」

（ユミ、安堵の表情）

N：間違ってはいない…と、自分に言い聞かせるしかなかった。

○同・厨房前（直後）

（ユミ、厨房のA君（20・元気で天然）へオーダーを伝えに近づく）

ユミ：（息を切らして）
「A君、新しい注文入ります！」

A君：（勢いよく振り返る）
「はいどうじょー！」

（言い終わると同時に足元が滑る）

SE：ガタン！

A君：（見事に滑って転ぶ）（ずっこける）

（ユミ、目を丸くして見つめる）

（厨房スタッフたちも一瞬、手が止まる）

（間）

A君：（床に座り込み、頭をかきながら）
「いっててて…」

ユミ：（突っ込みたい気持ちを堪え、微笑む）

ユミ：（心の声）（苦笑しながら）
（今は忙しい…後で絶対突っ込んでやる…！）

N：喫茶店のモーニングタイムは、笑顔とハプニングであふれていた。

（BGM：フェードアウト）