不思議な話:「わかった。ばいばい。」図書館メモの謎、その結末から始まる物語

「わかった。ばいばい。」図書館メモの謎、その結末から始まる物語

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「わかった。
ばいばい。

そのメモを見た瞬間、私はすべてが終わったことを理解した。
三ヶ月間、図書館で本を借りるたびに続いた、あの奇妙なやりとりにピリオドが打たれたのだ。

遡ること数日前、思い切って私は一通の手紙を書いた。
「こんにちわ。
いつもありがとう。
でも、もうすぐ卒業だから手紙読めないんだ。
ごめんね。
さようなら。
」それを借りた本に挟んで返却した。
友達に相談した結果、返事を書いてみてはどうかと勧められたのがきっかけだった。

そもそも、私がこの“誰か”とやりとりを始めたのは、ある本に挟まっていた一枚のメモが始まりだった。
「こんにちわ。
」それだけの言葉が、私の日常を少しずつ侵食していった。
次の週には「こんにちわ。
このまえのよんでくれましたか」と続き、やがて毎週のように、借りる本ごとに“私の日常”を知っているかのような内容のメモが現れ始めた。

「こんにちわ、こぶんのじかんねちゃだめだよ」
あたかも私の行動を見ているような文面に、私は次第に恐怖を感じ始めた。
しかも、学校外での出来事まで書かれていたからだ。
図書館で本を借りる前に中身を確かめていても、気づけば必ずメモが挟まっていた。
不思議なことに、他の人が同じような体験をした話は聞かない。

全ての始まりは、高校三年のある日。
何気なく借りた本に、あの「こんにちわ」のメモが挟まっていた瞬間だった。
そこから、私の静かな日々は大きく変わっていった。

今思えば、あのメモは単なるイタズラだったのか、それとも私にしか見えない何かだったのか。
卒業間際の別れの言葉と「わかった。
ばいばい。
」で終わったそのやりとりは、今でも私の心に小さな謎を残している。
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