修羅場な話:祝福の影―結婚式に現れた母の秘密

祝福の影―結婚式に現れた母の秘密

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○レストラン・チャペル(昼)

(華やかな装飾。
親族や友人たちが談笑している)

SE:グラスが触れ合う音、控えめなBGM

○同・控室(続き)

新郎 啓太(28・穏やかな青年)、親戚 直人(25・気さく)、新婦 麻美(26・優しい雰囲気)

直人:(スーツの袖を整えながら、緊張した面持ちで)
「啓太、もうすぐ本番だな。
…緊張してる?」

啓太:(苦笑いしながら)
「うん、少しだけ。
でも麻美がいるから…大丈夫」

麻美:(柔らかく微笑み、啓太の手を握る)
「私も、あなたがいるから大丈夫」

SE:ドアの向こうでざわめきが大きくなる

○同・廊下(直前)

(突然、年配の女性 美津子(60代・派手な服装)がドアを乱暴に開ける)

SE:ドアが激しく開く音

美津子:(叫ぶように)
「麻美!私の娘の結婚式でしょう!どうして呼ばないの!」

(会場がざわめく。
新婦の両親、俊彦(50代・静かな男性)、良子(50代・品の良い女性)が青ざめて立ち上がり、慌てて廊下へ出ていく)

SE:人々がざわめく声

○同・控室(続き)

麻美:(一瞬、表情が凍るが、すぐに微笑みを取り戻す)

(BGM:不穏な雰囲気に変わる)

直人:(戸惑い、啓太を見る)

啓太:(心配そうに麻美の肩に手を置く)

○チャペル(数分後)

SE:鐘の音

N:結婚式は少し遅れて始まった。
だが、麻美は変わらぬ笑顔でバージンロードを歩いた。

○回想・児童期の家(20年前・夕方)

(幼い麻美(6)、美津子(若い頃)、荒れた室内)

SE:ガムテープを引き裂く音

美津子:(険しい顔で)
「いい?今日は絶対しゃべっちゃだめ。
お兄ちゃんのためなのよ」

(幼い麻美、口にガムテープを貼られ、物置に押し込まれる)

SE:ドアが閉まる音、物置の薄暗い空間

N:麻美は、母の“幸せ”のためにずっと犠牲になってきた。

○控室(現在・式後)

麻美:(メイクを直しながら、ふと窓の外を見つめて)

直人:(そっと近づく)

直人:「…さっきのおばさん、知ってる人?」

麻美:(目を伏せて、声を震わせて)
「…実母です。
でも、もう私の母じゃない」

(間)

麻美:(淡々と…しかし、どこか痛みを滲ませて)
「あの女は、いつも私を不幸にする。
でも――今日は違う。
私は幸せ」

(BGM:静かに高まる)

○数年後・カフェ(昼)

N:それから幾年。
実母・美津子は孤独に生き、息子も娘も去っていった。

○自宅・リビング(夜)

(麻美と啓太が静かに寄り添い、ソファで微笑み合う)

SE:時計の針の音

N:麻美はようやく、自分の人生を生き始めている。

(BGM:やさしくフェードアウト)
読了
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