恋愛の話:「最後の贈り物」から始まる、君と僕の物語

「最後の贈り物」から始まる、君と僕の物語

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君の闘病日記の1ページと、お気に入りのピアスが、小包で届いた。

「私以上に、誰かを愛してください」――それが、君の最後の願いだった。

ピアスは今、俺のネックレスになっている。
新しい恋を始めよう、そう決めた。
けれど、君と過ごした日々が、今も胸に残っている。

この結末に辿り着くまでには、いくつもの別れと、すれ違いがあった。

君の病気が治ったと聞いた直後、君から突然別れを告げられ、心が張り裂けそうだった。
連絡は途絶え、高校に入ってから手紙が届いたとき、本当に嬉しかった。
だが、その手紙とともに、君のお母さんからの便りが届き、全てが変わった。

「病気が治った」というのは嘘で、本当は東京で治療を受けるためだった――その事実に、何よりも深く傷ついた。
最後の瞬間くらい、一緒にいたかった。

時を戻そう。

一番苦しかったのは、君が病気のことを隠していた時期だった。
心配をかけたくないという君の優しさは分かっていたけれど、ただ一緒にいたかった。
あの日、一緒に過ごした夜。
興奮した君が友達に電話しまくって、翌日学校で大騒ぎになったことも、今では大切な思い出だ。

君との日々は、どれも鮮やかに蘇る。

初デートで3時間も待たされて心配したこと。
ペアマグを買った日に、君がすぐ割ってしまって、「またか」と内心思ったこと。

海遊館でイルカに夢中になり、君を人混みで見失ったあの日から、どこへ行くにも手を繋ぐようになった。

修学旅行のお土産にぬいぐるみを渡したとき、君が泣きすぎて驚いたこともあった。

誕生日に「帰りたくない」と駄々をこねて親に叱られたけれど、あの時間も今となっては宝物だ。

すべての始まりは、バスの中で君が突然「付き合ってください!」と叫んだ日だった。

周囲の視線が痛いほど集まったけれど、不思議と世界が変わった気がした。

今、君の手紙の最後の言葉――「あなたを愛しています」を胸に刻んでいる。

君と笑えた日々が、俺の一番の宝物だ。
本当にありがとう。

君が最後まで「君らしく」困らせてくれたことも含めて、全てが愛おしい。

そして、これからは君の願い通り、誰かを本気で愛していくよ。

ありがとう、君と出会えて、本当に幸せだった。
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