君と過ごした大切な日々へ、心からのありがとう

―本当に、君には困らされたよ。

バスの中で突然「付き合ってください！」なんて叫ぶから、思わず驚いてしまいました。
周りの視線もとても気になったものです。

初めてのデートの日には、君を3時間も待つことになりました。
心配が募って、胸がいっぱいだったのを覚えています。

ペアマグを買った日もありましたね。
君がすぐに落として割ってしまったので、つい笑ってしまいましたが、心の中では「またか」と思っていたのでした。

海遊館に行ったとき、君はイルカに夢中になって、人混みの中で見失ってしまったことも、今では忘れられない思い出です。
それ以来、どこへ行くにも手をつないで歩くようになりました。

修学旅行のお土産としてぬいぐるみを渡したとき、君が思いがけず泣きすぎてしまい、驚いたこともありました。
周囲の視線も感じましたが、君の笑顔を見て、本当に良かったと思えたのです。

誕生日に「帰りたくない」と駄々をこねて、君が親御さんに叱られてしまったこともありましたね。
それでも、その時間は今も私にとって大切な思い出です。

一番つらかったのは、君が病気のことを隠していた時期でした。
心配させたくないという君の気持ちも分かりますが、やはり一緒にいたかったのです。

そして、あの夜、一緒に泊まった日のことも忘れられません。
君が興奮して友達にたくさん電話をしてしまい、学校でも少し大変な思いをしました。

君の病気が治ったと聞いたときは、心から嬉しかったです。
しかし、その後すぐに君から別れを告げられ、胸が張り裂けそうになりました。

その後、連絡が途絶えてしまった時期は、本当に辛い時間でした。

高校に入ってから、君から手紙が届いたときはとても嬉しかったです。
しかし、続けて君のお母さんからの手紙を読んだことで、全てが変わりました。

実は、君の病気が治ったというのは嘘で、東京へ行く理由も治療のためだったと知りました（つまり、私に心配をかけまいとしてくれていたのですね）。

嘘をつかれていたことが、何よりも悲しかったのです。
最後の瞬間くらいは、一緒にいたかった、と今でも思います。

君の手紙の最後の言葉、「あなたを愛しています」。
それを直接聞きたかったという気持ちは、今も変わりません。

それでも、君と過ごした時間は、私にとって一番の宝物です。

ありがとう、君と一緒に笑えた日々は本当に幸せでした。

そして、また小包が届きました。
中には、君の闘病日記の1ページと、お気に入りだったピアスが入っていました。

最後まで、君らしく私を困らせてくれるんですね。

君の最後の願い、「私以上に、誰かを愛してください」。
そのピアスは、今は私のネックレスになっています。

新しい恋を、これから始めてみます。

本当に、ありがとう。