恋愛の話:君が遺した宝物──恋と別れ、そして新しい一歩

君が遺した宝物──恋と別れ、そして新しい一歩

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■【起】〜始まりは、君の無邪気な声とともに〜
───────

―本当に、君には困らされたよ。

バスの中で突然「付き合ってください!」なんて叫ぶから、周りの視線が一斉に集まった。
初デートの日、君は3時間も遅れてきて、僕は心配でたまらなかった。

一緒にペアマグを買った日、君はすぐに落として割ってしまい、僕は苦笑いしながら「またか」と心の中で思った。
海遊館でイルカに夢中になり、人混みで君を見失ったこともあった。
それ以来、僕たちはどこへ行くにも手を繋ぐようになった。

修学旅行のお土産のぬいぐるみを渡したとき、君は泣きすぎて僕を驚かせた。
周りの視線を感じながらも、君の笑顔を見て「これでよかった」と思った。

■【承】〜重ねていく日々、増えていく思い出〜
───────

君は誕生日に「帰りたくない」と駄々をこねて親に怒られてしまったけれど、あの時間は今も僕の大切な思い出だ。

一番つらかったのは、君が病気のことを隠していた時期。
心配させたくないという君の優しさはわかるけれど、僕はずっと一緒にいたかった。
あの日、一緒に泊まった夜、君は興奮して友達に電話しまくり、翌日学校で大変な思いをした。

やがて、君の病気が治ったと聞いた時はとても嬉しかった。
でも、その後すぐに別れを告げられ、僕の心は張り裂けそうだった。

■【転】〜真実と別れ、胸に残る君の言葉〜
───────

連絡が途絶えたとき、本当に心が苦しかった。
高校に入って君から手紙が届いたとき、僕はようやく息をつけた気がした。
しかし、君のお母さんから届いた手紙を読んで、すべてが変わった。

「病気が治ったというのは嘘で、東京に行く理由は治療のためだった」――その事実を知ったとき、僕は何よりも嘘をつかれていたことが一番悲しかった。
最後の瞬間くらい、一緒にいたかった。

君の手紙の最後に書かれていた「あなたを愛しています」という言葉。
それを直接、君の声で聞きたかった。

■【結】〜君の願いと、僕の新しい一歩〜
───────

君と過ごした時間は、僕の一番の宝物だ。
ありがとう、君と笑い合えた日々は本当に幸せだった。

そして、また小包が届いた。
中には君の闘病日記の1ページと、お気に入りだったピアス。
最後まで、君は君らしく僕を困らせる。

君の最後の願いは、「私以上に、誰かを愛してください」。
今、そのピアスは僕のネックレスになっている。

新しい恋を始めるよ。
ありがとう、本当に。
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