不思議な話:ティッシュ箱の向こうに広がる謎の世界と、ひと夏の小さな冒険

ティッシュ箱の向こうに広がる謎の世界と、ひと夏の小さな冒険

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■【起】〜ジュースの失敗と不思議な始まり〜
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子供の頃、私は一人で留守番をしていた。
退屈しのぎに飲んでいたジュースをうっかりこぼしてしまい、慌ててティッシュを使って拭き取ることにした。

ティッシュを次から次へと使っているうちに、箱の中はあっという間に空っぽになってしまった。
何気なくその空の箱を覗き込んでみると、そこには想像もしていなかった光景が広がっていた。

■【承】〜箱の中の夜道と吹き上げる風〜
───────

ティッシュ箱の奥には、なぜか夜道が続いていた。
しかも、そこからは強い風が吹き上げてくる。
不思議に思い、私は恐る恐る指を箱の中に入れてみた。

本当に風を感じ、思わず「なんじゃこりゃ、おもしろい!」と声を上げた。
その瞬間、指先にべちゃっとした感触が走る。
驚いて指を引き抜くと、透明な緑色のスライムのようなものが指にまとわりついていた。
中には目玉のようなものまで見えた気がした。

■【転】〜正体不明のスライムとの遭遇〜
───────

私は情けない声を出しながら、慌てて洗面所へ駆け込んだ。
片手でそのスライムを握り潰し、30分近くも必死に水で洗い流した。
ようやく落ち着いてからティッシュの箱を見直したが、そこにはもう何も見えなかった。

両親に必死で説明したが、全く信じてもらえなかった。
ただ一つ、右手にできた水ぶくれだけが、その出来事の現実味を静かに物語っていた。

■【結】〜朝焼けの溝と残された謎〜
───────

翌朝、学校へ向かう途中、家の近くの溝であのスライムの欠片を発見した。
小さくなったそれは、それでも必死に進もうとしている。
私は一瞬迷ったが、意を決して踏み潰した。

この体験を誰に話しても信じてもらえないだろう。
でも、これが私の唯一のオカルト体験だ。
もしかしたら、あの時地球を救ったのかもしれない――そんなことを思いながら、今もあの不思議な夜道と謎の生き物を、心の片隅に残している。
読了
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