○大学・キャンパス(昼)
N:これは、私の人生を大きく変えた、取り返しのつかない後悔の物語。
○回想・大学・カフェテリア(数年前・昼)
(若い男女がテーブルで談笑している。
春の柔らかな光が差し込む)
登場人物:ユウタ(20・大学生・内向的)、アキ(20・ユウタの彼女・明るく好奇心旺盛)
アキ:(笑顔で)「ねえ、今度の休み、ハイキングに行かない?」
ユウタ:(少し驚いて)「ハイキング?あの山、電車で行けるんだっけ…?」
アキ:(目を輝かせて)「うん、初心者向きだし、穴場っぽいんだって!」
ユウタ:(微笑んで)「いいね、行こうか。
」
(カメラ、二人の顔をアップ。
○駅前(当日・朝)
(ユウタ、雨具を手に迷う)
ユウタ:(心の声)(晴れ予報だし、まあいいか…軽装で十分だろう)
(アキと合流し、駅へ向かう)
○山道・登山口(昼)
(BGM:軽快な曲調。
二人、楽しそうに歩く)
アキ:(岩を指さして)「あの岩、人の顔みたいじゃない?」
ユウタ:(笑いながら)「本当だ、誰かに似てるかも。
」
(自然の中、二人だけの静けさ)
○山道・お堂前(午後)
(小さなお堂。
静寂。
不気味な空気)
アキ:(裏道を見つけて)「ねえ、こっち行ってみない?」
ユウタ:(立ち入り禁止の看板を見てためらう)「でも…」
アキ:(無邪気に手を引く)「大丈夫だって、ちょっとだけ!」
(ユウタ、しぶしぶ従う)
○山中・滝の前(午後)
(滝のせせらぎ。
二人、岩に腰かけておにぎりを食べる)
SE:遠くで雷鳴
(突然、雨が降り出す)
ユウタ:(焦って)「やばい、雨だ!」
アキ:「あっち、洞穴がある!」
○山中・洞穴(夕方)
(洞窟の中、雨音が反響している)
アキ:(濡れた髪を直しながら、ユウタの手を握る)
(目が合う、静かな間)
ユウタ:(息をのむ)
アキ:(潤んだ瞳で見つめて)(そっと唇を重ねる)
(BGM:切ない愛の旋律。
二人、そのまま求め合う)
(しばらくして、雨が止む)
ユウタ:(ハッとして外を見る)「…もう、止んだみたいだ。
」
アキ:(微笑む)「帰ろうか。
」
○駅前(夕方)
(夕焼けの中、二人が並んで歩く)
○自宅・ユウタの部屋(翌日・夜)
(ユウタとアキ、ファミレスで食事を終え、ユウタの部屋へ)
アキ:「今日は泊まってもいい?」
ユウタ:「うん、もちろん。
」
(部屋の中。
二人、ベッドに座る)
(急に、ユウタが身震いする)
SE:何かの気配、窓の外で風が唸る音
ユウタ:(不安そうに)「…なんか、誰かに見られてる気がする。
」
アキ:(立ち上がり、部屋を見回す)「何言ってるの、誰もいないよ。
」
(その夜、ユウタは悪夢にうなされる)
○夢の中・山道(夜)
(ユウタの視点。
不穏な空気)
(屈強な男たちが茂みに潜む。
男女4人が山道を歩く)
SE:突如、男たちが飛び出し、男性を襲う殴打音
(女性が泣き叫ぶ。
男たちが女性を押し倒す)
ユウタ:(夢の中で叫ぶ)「やめろ…!」
○自宅・ユウタの部屋(夜・続き)
(ユウタ、汗だくで飛び起きる)
SE:心臓の鼓動が大きく響く
アキ:(心配そうに)「大丈夫?ユウタ…」
ユウタ:(呼吸を整えながら)「…うん、なんでもない。
」
(その後も、ユウタは異変に悩まされる)
○回想・大学・キャンパス(後日)
(ユウタ、ぼんやりと座っている)
アキ:(心配そうに)「ねえ、本当に大丈夫?誰か詳しい人に相談した方が…」
ユウタ:(目を伏せて)「…わからない、どうすればいいのか。
」
○自宅・ユウタの部屋(夜)
(Aと別れ、1人で座るユウタ。
周囲が静まり返る)
N:Aと別れてからも、女性と関係を持とうとするたび、あの異変が襲う。
(BGM:不安を煽る旋律)
○山・お堂前(数年後・昼)
(ユウタ、大人びた表情でお堂を見上げる)
(作業服の老人が近くにいる)
老人(70・地元の住人):(道具を片付けながら)「このお堂かい?昔、山賊がいて酷いことしてたらしいよ。
退治された後、犠牲者の魂を鎮めるために建てたって話さ。
」
ユウタ:(凍りつく)(言葉を失う)
N:私は、あの山で祟られてしまったのだろうか。
知らなかったとはいえ、理不尽な罰に苦しんでいる。
○自宅・リビング(夜)
(ユウタ、窓の外を見つめて、独りごちる)
ユウタ:(心の声)「後悔先に立たず…。
あの時、何も考えずに行動した自分に、今ならこう言いたい。
」
(カメラ、ユウタの背中をゆっくり引く)
(BGM:静かにフェードアウト)
怖い話:祟(たたり)の山──忘れ得ぬ後悔と、消えぬ影
祟(たたり)の山──忘れ得ぬ後悔と、消えぬ影
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