夏夜の線香花火と、ふたりの距離が縮まる瞬間

■【起】〜社会人サークルで見つけた新しい日常〜
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社会人になり、私はバスケットボールサークルに参加した。
新しい仲間や活動に囲まれて、毎日が充実していた。
サークルのイベントや試合に夢中で、恋愛については深く考えたこともなかった。

そんな穏やかな日々が続く中、季節ごとのイベントや合宿も、ただ楽しい思い出として積み重なっていった。

■【承】〜夏合宿、はじまりの予感〜
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ある夏の合宿。
みんなで汗を流し、夜には賑やかな宴や語らいがあった。
恋愛の気配など感じることもなく、私はただ仲間たちとの時間を楽しんでいた。

合宿の最後の夜、みんなで集まり花火をすることになった。
夏の夜空の下、手持ち花火が小さく輝いている。
私もその輪の中で、無邪気に花火を楽しんでいた。

■【転】〜線香花火と突然の告白〜
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ふと、同期のOくんが私のそばにやってきて「一緒に花火やっていい？」と声をかけてきた。
私はあまり深く考えず「いいよ」と答え、彼と並んで線香花火を始めた。

静かに揺れる小さな炎を見つめながら、Oくんがぽつりと口を開いた。
「ずっと美香とこうしていたかった。
合宿が終わっても、サークルの外でも、一緒にいたい。
」

突然の告白に胸が高鳴り、何も言えないまま線香花火が落ちてしまった。
Oくんはさりげなく「じゃあ、みんなのところに戻ろうか」と言った。

■【結】〜花火の余韻、ふたりだけの時間〜
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私は思わず彼の服の袖をつかんでいた。
そして、無意識に「まだ戻りたくない」と呟いてしまった。

その瞬間、Oくんの腕の中にいた。
夏の夜、線香花火の余韻とともに、ふたりの距離は確かに縮まっていた。