○回想・中学校教室(昼・10年前)
登場人物:
佐藤 太一(13・控えめな男子生徒)
田中 美咲(13・物静かな女子生徒、太一の隣の席)
(静かな授業風景。
窓から陽が差し込む。
SE:チョークの音)
N:あの日、教室の空気は、どこまでも穏やかだった。
(美咲、俯きがちに手を強く握りしめている。
太一、ふと隣を気にする)
太一:(小声で・心の声)美咲、なんか様子が変だ…?
(美咲、静かに震えながら、机の下で太ももをぎゅっと閉じる。
誰も気づいていない)
(太一、そっと立ち上がる)
SE:椅子が静かに引かれる音
(太一、無言で教室を出る。
周囲は気に留めない)
○廊下
(太一、急ぎ足で手洗い場へ向かう)
SE:水道の水音
(バケツに水を汲む太一。
その背後から教師の足音)
教師:(30代・厳格そう)
「おい、佐藤。
授業中だぞ、どこ行くんだ?」
(太一、振り向かず無言で教室へ戻る)
○教室(続き)
(太一、バケツを持って美咲の席へ。
美咲は顔を伏せて震えている)
(太一、決意の表情で、美咲に水をかける)
SE:水のはねる音
(教室がざわめき、みんなが振り返る)
生徒A:「えっ、なに?」
生徒B:「水?なんで…?」
(美咲、驚きと困惑で太一を見上げる)(間)
○職員室前の廊下
(太一と両親、美咲とその両親、教師。
静かな緊張)
太一の母:(涙声で頭を下げて)
「本当に申し訳ありませんでした!」
美咲の母:(困惑しつつも、太一を見つめる)
教師:「佐藤、どうしてこんなことをしたんだ?」
(太一、俯いたまま口を閉ざす。
しばし沈黙)
太一:(小さく首を振る)
○太一の自宅・玄関(夜)
(太一、重たい足取りで帰宅。
すると、玄関のチャイムが鳴る)
SE:チャイム音
(ドアを開けると、美咲と母が立っている)
美咲:(目を赤くしながらも、しっかりと太一を見る)
美咲の母:「…美咲から、全部聞きました」
美咲:(声を震わせて)
「ありがとう。
私を…守ってくれて」
(太一、驚いて美咲を見る)(間)
太一:(目を伏せて)
「あの…別に、そんなつもりじゃ…」
(美咲、そっと微笑む)
○現在・リビング(夜)
(太一(23)、美咲(23)、夫婦となった二人がソファに並んで座る。
温かな照明)
N:あれから、10年の月日が流れた。
(美咲、そっと太一の手を握る)
美咲:(優しく)
「ねぇ、あの日のこと…ずっと、忘れてないよ」
太一:(照れくさそうに微笑み)
「…俺も。
あれが、始まりだったんだな」
(BGM:静かに感動的なメロディが流れる)
(カメラ、二人の手元へゆっくりズームイン)
N:静かな教室の片隅で生まれた秘密は、今、確かな絆になっている。
(フェードアウト)
感動する話:静かな教室、君と僕と――あの日の秘密と約束
静かな教室、君と僕と――あの日の秘密と約束
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