仕事・学校の話:オフィスを駆けるキックボードと、ふたりの秘密

オフィスを駆けるキックボードと、ふたりの秘密

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○オフィス・エントランス(夕方)

(窓の外は黄昏れ、オフィス内も残業の空気が漂う)

登場人物:
Tさん(28・好奇心旺盛な女性社員)
Kさん(31・穏やかで少しお茶目なベテラン男性社員)
私(23・新人、素直で観察力がある)
S部長(45・威厳があるが、お茶目な一面も)

(Tさんと私が帰り支度。
Tさんはキックボードを手にしている)

Tさん:(微笑みながら)(キックボードを折りたたむ)
「今日もこれで駅までダッシュだね」

私:(羨ましそうに)
「いいなぁ、そのキックボード。
流行ってますよね」

(そこへKさんが通りかかる)

Kさん:(興味津々にキックボードを見る)
「へぇ、Tさん。
そのキックボード、新しいやつ?」

Tさん:(得意げに)(Kさんにぐっと近づく)
「そうなんです。
通勤、めっちゃ楽なんですよ」

Kさん:(少し照れながら)
「俺、実は…こういうの乗ったこと、なくてさ」

Tさん:(からかうように)(キックボードを差し出す)
「じゃあ、ここでちょっと試してみます?」

(私、思わず笑う)

私:(冗談っぽく)
「Kさん、オフィスで暴走しないでくださいねー」

(しかし、Kさんは真剣な顔でキックボードを手に取る)

Kさん:(真顔で)
「…よし。
ちょっとだけな」

(間。
Tさんと私、顔を見合わせて苦笑)

(Kさん、そっとキックボードに乗る)

SE:キックボードの小さな車輪音

(Kさん、オフィスの廊下を静かに滑り出す。
Tさん、目を丸くして固まる)

Tさん:(驚いて)
「え、マジで!?」

私:(目を見開いて)
「うそ…」

S部長(45・威厳があるが、お茶目な一面も)、デスクから顔を上げる。

S部長:(ぽかんと口を開けてKさんを見つめる)

(Kさん、廊下を風のように駆け抜ける)

SE:キュッと止まるブレーキ音

(さっと戻ってきて、何事もなかったかのようにキックボードをTさんに返すKさん)

Kさん:(涼しい顔で)
「…意外と難しいな、これ」

(自分のデスクに戻るKさん。
Tさんと私、呆然と見送る)

(間)

Tさん:(あきれたように、でも嬉しそうに)
「…Kさんって、たまに子供みたいですよね」

私:(笑いをこらえて)
「はい…ちょっと意外でした」

(SE:オフィス内、静かなざわめき)

(フェードアウト)

○数年後・披露宴会場(夜)

(華やかな照明。
TさんとKさん、ウエディング姿で並んでいる)

(私、スピーチのため立ち上がる)

私:(マイクを持って微笑む)
「ところで、Kさん。
あの時のキックボード事件、覚えてます?」

Kさん:(首をかしげて、Tさんを見る)
「…そんなこと、あったっけ?」

Tさん:(くすっと笑う)(Kさんの手を握る)

N:数年後、ふたりは夫婦となり、今も変わらず仲良しです。

(BGM:優しいピアノ曲が静かに流れ始める)

(カメラ、二人の笑顔にゆっくりズームイン)

(画面暗転)
読了
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