■【起】〜新人の日常と、気になるキックボード〜
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新人だった私は、ある日の終業後、三年先輩のTさん(女性)と一緒に帰ろうとしていました。
そのとき、通りがかったベテラン社員のKさん(男性)の目が、Tさんの手にしたキックボードに留まります。
Tさんは流行に敏感で、通勤にキックボードを使っていたのでした。
「俺、これ乗ったことないんだよな」とKさんがつぶやきます。
Tさんが「じゃあ、乗ってみます? ここで」と冗談めかして返した、その瞬間——。
■【承】〜予想外の行動、オフィスを駆け抜けて〜
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誰もが軽い冗談だと思ったそのやり取り。
しかしKさんはなんと、本当にキックボードを手に取り、オフィス内を滑走し始めたのです!
突然の出来事に、Tさんは呆然。
私も信じられず、ただ驚きを隠せませんでした。
あんぐりと口を開けてKさんを見つめるS部長の表情も、今でも忘れられません。
狭い社内をあっという間に駆け抜けたKさんは、何事もなかったかのようにキックボードをTさんに返し、自分のデスクへと戻っていきました。
■【転】〜数年後、明かされる意外な真実〜
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それから数年が経ち、私はふとした機会にKさんに「あの時のこと、覚えていますか?」と尋ねました。
しかしKさんは「そんなことあったっけ?」と、まるで他人事のよう。
どうやら、あの頃は残業続きで相当疲れていたようです。
実はこの会話、KさんとTさんの結婚式の二次会での出来事でした。
■【結】〜キックボードが結んだ二人の縁〜
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後から知ったことですが、当時からKさんとTさんは付き合っていたのだそうです。
今ではお二人は仲良し夫婦。
あの日のキックボード事件は、二人の思い出のひとつとして、今でも語り草になっています。
仕事・学校の話:オフィスに響いたキックボード事件と、二人の意外な結末
オフィスに響いたキックボード事件と、二人の意外な結末
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