○自宅・リビング(夜)
(薄暗いリビング。
窓の外には静かな街灯。
テーブルには辞書とノートパソコン。
ソファに二人の男女が座る)
登場人物:
早瀬 美咲(28・好奇心旺盛なOL)
高橋 蓮(32・穏やかな塾講師)
(BGM:静かなピアノ曲)
美咲:(ノートパソコンを開きながら、眉をひそめて)
ねえ、蓮くん。
「ボリショイ大サーカス」って知ってる?
蓮:(コーヒーを飲みながら)
ああ、ロシアの有名なサーカスだよね。
どうしたの?
美咲:(不思議そうに)
「ボリショイ」って、ロシア語で「大」って意味なんだって。
(少し笑って)
つまり…「大大サーカス」ってことになるんだよ。
蓮:(目を丸くして)
え、それ…なんか、すごく大きそうだね。
(美咲、スマホをいじりながら)
美咲:
これと同じようなの、他にも見つけた。
「チゲ鍋」もそう。
「チゲ」って韓国語で「鍋」だから…「鍋鍋」!
蓮:(苦笑しながら)
日本語って、たまに面白いことするよね。
(SE:ページをめくる音)
美咲:
「クーポン券」も。
「クーポン」って「券」って意味だから…「券券」。
蓮:(立ち上がり、窓の外を見つめて)
繰り返しすぎじゃない?(笑)
(間)
美咲:
「襟裳岬」もそうなんだよ。
「襟裳」はアイヌ語で「岬」って意味だから…「岬岬」。
蓮:(驚いて振り返る)
…え?全部、重なってるってこと?
美咲:(うなずきながら)
「フラダンス」も。
「フラ」は「ダンス」って意味で…「ダンスダンス」。
蓮:(机に手をつきながら、興味津々で)
じゃあ、「スキー板」は?
美咲:
それも。
「スキー」はノルウェー語で「板」だから、「板板」だって。
蓮:(吹き出しそうになるのをこらえて)
言葉って、不思議だな…。
(SE:スマホの通知音)
美咲:(ふと、画面を見て)
「アラーの神」っていう表現もそう。
「アラー」は「唯一神」だから…「神神」。
蓮:(真剣な表情で)
一つの意味を、何度も包み込むんだな…。
美咲:
「シーア派」も。
「シーア」は「派閥」だから…「派派」。
蓮:(短く笑って)
それ、なんか言い間違いみたいだよ。
(BGM:少しテンポアップ)
美咲:
「トリコロールカラー」の「コロール」も「カラー」って意味で…「三色色」。
蓮:
「サハラ砂漠」は?
美咲:
「サハラ」は「砂漠」だから…「砂漠砂漠」。
蓮:(遠くを見るように)
世界って、同じことを何度も言いたくなるのかな。
美咲:(ノートに何かを書き留めながら)
「ガンジス川」も、「ガンジス」が「川」って意味の英語読みで…「川川」。
「ナイル川」も、「インダス川」も、「メナム川」も、「メコン川」も、「アムール川」も全部「川川」。
(間)
蓮:(そっと、美咲の手を取る)
言葉の重なりって、なんだか人間の心みたいだね。
同じ気持ちを、何度も重ねて伝えたくなるみたいに。
美咲:(優しく微笑む)
うん。
(小さく息を吐きながら)
意味を知るって、ただの知識じゃなくて、なんか…ちょっとだけ、世界が優しく見える。
(BGM:フェードアウト)
N:
言葉の奥に隠れた重なりは、私たちの心にも似ている。
気づけば、そこには大切なものが、そっと重なっているのかもしれない。
(画面暗転)
笑える話:言葉に隠された二重の真実~繰り返される名前たちの夜~
言葉に隠された二重の真実~繰り返される名前たちの夜~
🎭 ドラマ に変換して表示中
読了
スワイプして関連記事へ
0%
記事要約(300文字)
ダミー1にテキストを変換しています...
0%
変換中
コメント