○山道・夜
(細い山道。
車のライトが闇を切り裂く。
助手席にはユリ(30代・日本人・小柄)、運転席にはアレックス(40代・外国人・身長185cm・筋骨隆々)。
)
SE:タイヤが砂利を踏む音
ユリ:(窓の外を気にして)(不安そうに)
「ねぇ、さっきから後ろの車、すごく近くない?」
(バックミラーにハイエース。
強いヘッドライト。
煽る動き。
)
アレックス:(ハンドルを握る手に力が入る)
「うん、気をつけてる。
もう少しで避難帯だ…。
」
SE:クラクションのけたたましい音
ユリ:(息を呑む)(声を震わせて)
「えっ…クラクションまで……。
」
(ハイエースがさらに接近。
アレックス、やむなく車を停車させる。
)
SE:急ブレーキ音
○山道・停車した車内(夜・続き)
(アレックス、深呼吸。
ユリは固まる。
)
(ハイエースのドアが乱暴に開く音。
二人組の男(DQN・20代・ガラの悪い風貌)が棒を持って下車。
)
SE:車のドアを蹴る鈍い音
ユリ:(凍りつく)(目を見開いて)
「…やだ、ドア蹴ってる…!」
(アレックス、表情が一変。
ゆっくりドアを開ける。
勢いに押され、男たちがバランスを崩し転倒。
)
SE:男たちが転ぶ音
(アレックス、仁王立ち。
威圧的なオーラ。
)
アレックス:(低い声で)(怒りを抑えて)
「あなたたち、ドア蹴ったよね?」
(男たち、棒を落とし、慌てて立ち上がる。
)
DQN1:(土下座する勢いで)(声を震わせて)
「す、すいません!すいませんっ!」
DQN2:(ポケットから財布を取り出し)(必死に)
「これ…修理代っす!ほんと、すいませんっ!」
(アレックス、手を振る。
)
アレックス:(きっぱりと)
「いらないよ。
もういいから、帰りな。
」
(DQN2、咄嗟に一万円札を車内に投げ込む。
)
SE:札がシートに落ちる音
(DQNたち、慌ててハイエースに戻り、逃げるように走り去る。
)
SE:車が遠ざかる音
(ユリ、ホッとした表情。
アレックスは静かに息を吐く。
)
ユリ:(安堵の笑みを浮かべて)
「…大丈夫だったね。
」
アレックス:(微笑みながら)
「心配させて、ごめん。
」
(アレックス、何事もなかったかのように車を発進させる。
)
○自宅・リビング(翌日)
(テーブルの上に一万円札。
ユリとアレックスが向き合う。
)
ユリ:(札を見つめて)(思案しながら)
「このお金、どうしよう…」
アレックス:(優しく)
「クリスマスも近いし、誰かのために使おうか。
」
○養護施設・玄関(昼)
(ユリがホールケーキの箱を2つ抱えて、職員に手渡す。
)
職員:(驚いて、嬉しそうに)
「まあ!クリスマスにケーキだなんて…本当にありがとうございます!」
(ユリとアレックス、さりげなく微笑み合う。
)
○帰り道・冬の並木道(夕方)
(ユリとアレックス、肩を並べて歩く。
)
N:
「思わぬ夜の出来事が、誰かの笑顔につながった。
きっと、これもクリスマスの奇跡。
」
(BGM:優しい曲が静かに流れ始める)
(画面フェードアウト)
スカッとする話:暗闇の山道、巨人が守る夜 〜一万円のクリスマス〜
暗闇の山道、巨人が守る夜 〜一万円のクリスマス〜
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