会社代表電話に「怪しい間違い電話」　職場で遭遇した悪質通話の実態

■会社にかかってきた「見知らぬ男性の声」
ある企業の事務職に従事していたAさん（仮名）は、過去に職場で「不審な間違い電話」に遭遇したと語る。
発生時期は十数年前、勤務先の代表電話に、取引先以外からは珍しい男性の電話がかかってきたという。
Aさんは「通常、外部からの電話は限られていたため、違和感があった」と当時を振り返る。

■業務中の突然の不審電話
男性は「○○ちゃん？」とAさんに話しかけ、明らかに本人とは異なる名前を口にした。
Aさんは「ここは○○さんの電話ではなく、会社です」と説明。
すると相手は「声が似ていたから間違えた」などと言い、さらに「優しいですね」「声が綺麗ですね」などの発言を続けたという。

Aさんは「違和感を覚えつつも、業務上、即座に電話を切ることにためらいがあった」と話す。
その後、相手の呼吸音が荒くなるなど、怪しげな言動に変化したため、Aさんは上司に受話器を渡した。
上司が対応したところ、相手はすぐに電話を切断したという。

■電話の目的は「間違い」か「悪質なイタズラ」か
Aさんは「本当に間違い電話だったのか、最初から悪質なイタズラだったのか、今でも分からない」と語る。
こうした事案は、受け手の不安や困惑を招くだけでなく、業務にも支障をきたす危険性がある。

■専門家「組織的な対策が重要」
迷惑電話対策に詳しい日本テレコミュニケーション協会の担当者は「会社の代表番号には、こうした悪質な電話が稀にかかってくる。
受けた場合は冷静に対応し、記録を残したうえで上司や管理部門に速やかに報告することが重要」と指摘する。
また、音声記録やナンバーディスプレイなどのシステム導入も有効だという。

■今後の展望と読者への注意喚起
近年、SNSや電話を通じたハラスメント行為が社会問題化している。
今後も、組織的な対策強化とともに、個々の従業員が冷静に対応できる体制づくりが求められる。
万が一、不審な電話を受けた場合は「一人で抱え込まず、必ず上司や専門部署に相談してほしい」と専門家は呼びかけている。