○大学近くの飲食店・厨房(夕方)
登場人物:
・ユウタ(20・大学生・素直で努力家)
・店長(40・短気で支配的)
・タカシ(22・バイトリーダー・気弱)
・ミホ(19・バイト仲間・明るい)
・取り巻きたち(店長の腰巾着数名)
(SE:フライパンの音、忙しない厨房)
N:学生時代、ユウタは大学近くの店でアルバイトを始めた。
まだ入って一週間も経たない新人には、何もかもが初めてだった。
ユウタ:(不安そうに)すみません、このオーダーってどうやって…
タカシ:(目を伏せて)あー、俺ちょっと今無理だから…店長に聞いて。
(ユウタ、店長の方へ近づく)
ユウタ:(控えめに)店長、この作業なんですけど…
(店長、無視して他のバイトと談笑)
(ユウタ、少し悲しげにうつむく)
(SE:客の声、注文が飛び交う)
○同・ホール(夜)
(ユウタ、ミスをしてしまい、店長に呼ばれる)
店長:(怒りを抑えて、しかし声は大きく)おいユウタ!○○さんはできるのに、なんで君はできないんだよ?
(店内の客が一斉に振り向く)
ミホ:(小声で)…そんな言い方しなくても…
(ユウタ、顔を赤くし、唇を噛む)
ユウタ:(声を震わせて)あの、ちゃんと教えてもらえたら…
店長:(遮るように)自分で考えろよ。
甘えるな!
(SE:重苦しい空気。
BGM:不穏な低音)
N:誰も助けてくれなかった。
けれど、ユウタは我慢しながら努力を重ね、少しずつ仕事を覚えていった。
(画面暗転)
○数か月後・バックヤード(夜)
ミホ:(ため息混じりに)…最近、みんなすぐ辞めちゃうよね。
タカシ:(うつむいて)…店長、厳しすぎるんだよ。
N:自分よりあとに入った仲間は、店長に耐えられず次々と辞めていった。
ベテランも去り、店は常に人手不足だった。
○同・厨房(ある日・昼)
(店長、新聞を広げながら)
店長:(自慢げに)ショッピングセンターができるらしいな。
…なあユウタ、お前、うち辞めてそっちで面接受けたらどうだ?どうせ受からねぇと思うけどさ。
(ユウタ、こらえていた感情があふれる)
ユウタ:(怒りを抑えて、ゆっくりした口調で)…実は、もう新しい職場、決まってます。
今日、退職届を出そうと思ってました。
(店長、驚いて椅子から立ち上がる)
店長:(動揺して)えっ…ちょ、ちょっと待てよ!本気で辞めろなんて言ってないだろ?人手不足なのは知ってるだろ、なあ…誰が仕事を引き継ぐんだよ!
(タカシ、ユウタの隣に立つ)
タカシ:(決意を込めて)…ユウタさんが辞めるなら、俺も辞めます。
(ミホも一歩前へ出る)
ミホ:私も、もう限界です。
(店長、顔面蒼白。
沈黙)
(BGM:静かに切なく流れ始める)
N:店長の顔は、今でも忘れられない。
○同・店外(夜)
(3人、連れ立って店を出る。
背中越しに見送る店長と取り巻きたち)
店長:(声を荒げて)お前ら…お前のせいだぞ、ユウタ!
(ユウタ、振り返らず歩き続ける)
○数か月後・ショッピングセンター(昼)
(SE:賑やかな館内BGM)
(ユウタ、元警備員と偶然再会)
警備員:(懐かしそうに)おう、ユウタ君!あの店、大変らしいよ。
近くに似た店できてさ、客も減ったし…店長、また客と揉めたって。
(ユウタ、苦笑い)
○同・元バイト先・駐車場前(夕方)
(ユウタ、一人で立ち止まり、ガラガラの駐車場を見る)
N:昨日、店の前を通りかかった。
かつて満員だった駐車場は、今はガラガラだった。
(ユウタ、少し性格悪そうに、でもどこかすっきりとした表情)
ユウタ:(心の声)…くだらない話かもしれない。
でも、こうして書き記したくなったんだ。
(BGM:フェードアウト)
(画面暗転)
スカッとする話:「誰もいない駐車場で―バイト先、最後の一日」
「誰もいない駐車場で―バイト先、最後の一日」
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