スカッとする話:ガラガラの駐車場に残った店長 ― 逆転バイト譚

ガラガラの駐車場に残った店長 ― 逆転バイト譚

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昨日、かつて満員だったあの店の駐車場は、驚くほどガラガラだった。
店内にも客はほとんどいない。
皮肉な話だが、その光景を見て少しスッとした自分がいた。

数日前、偶然ショッピングセンターで元警備員と再会したとき、すでに異変は始まっていた。
聞けば、近所に似た店ができたり、店長が客とトラブルを起こしたりで、客足が激減。
今では店長とその取り巻きしか残っていないという。

すべての転機は、ある日店長が「うちを辞めてあのショッピングセンターで面接受けたら?受からないと思うけど」と、いつものように自分を罵倒した瞬間に訪れた。
実はその時点で、僕はすでに新しい職場に採用されていた。
限界を感じていた僕は、退職願を出すことを告げた。
動揺した店長は、「本気で辞めろなんて言ってない」「人手不足なのは知ってるだろ」「誰が仕事を引き継ぐんだ」と慌てて言い訳を並べたが、他のバイト仲間も「(自分)さんが辞めるなら俺も辞めます」と続き、さらにもう一人も続いた。
店長の顔は今でも忘れられない。

遡れば、大学時代、僕はその店でバイトを始めたばかりだった。
だが、新人の僕に店長や取り巻きはまともに仕事を教えてくれず、質問しても無視。
「○○さんはできるのに、なんで君はできないの?」と客の前で怒鳴られることも日常茶飯事。
ちゃんと教えてほしいと訴えてもスルーされる日々。
それでも我慢して努力を重ねて、ある程度の地位にはなったが、店長の扱いに耐えられずに後輩たちは次々と辞めていき、ベテランも去り、店は常に人手不足の悪循環だった。

本当の意味であの日、僕たちが一斉に退職を決めたことで、店は支えを失った。
店長は「お前のせいだ」と最後まで責めてきたが、今振り返れば、原因は自分たちの振る舞いにあったのだろう。

あの空っぽの駐車場が、その答えを静かに物語っている。
読了
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