■リード文
大学生アルバイトが勤務した飲食店で、パワハラと人手不足による職場崩壊が発生していたことが、本紙の取材で明らかになった。
市内の大学近くの店舗で2020年頃、アルバイトらが相次いで退職。
背景には、店長による新人への不適切な指導と労働環境の悪化があったという。
現場では何が起きていたのか、当事者らに話を聞いた。
■アルバイト現場で広がる“パワハラ”
「なぜ君はできないのか」。
取材に応じた元アルバイトのAさん(仮名)は、入店間もない頃から店長の厳しい叱責を受けていたと証言する。
Aさんによれば、マニュアルや指導はほとんどなく、質問しても無視されることが多かったという。
さらに、店長は客の前で怒鳴ることもあり、精神的負担が大きかったと明かす。
■人材流出が止まらない理由
Aさんの証言によれば、適切な指導がないまま業務を強いられ、やがて後輩やベテランも次々と退職していった。
店舗では常に人手不足が続き、残ったスタッフの負担も増加したという。
Aさんは「新人だけでなく、長く働いていた人も次々に辞めていった」と振り返る。
■“逆転退職劇”と店長の動揺
転機は、近隣に大型ショッピングセンターが開業するという情報が流れたことだった。
Aさんによると、店長は「うちを辞めて新しい店を受けてみたらどうだ」と挑発的な発言を繰り返した。
しかしAさんは既に新しい職場が決まっており、退職の意思を告げたという。
これに動揺した店長は「本気で辞めろなんて言ってない」「誰が仕事を引き継ぐんだ」と矢継ぎ早に引き留めたが、他のアルバイトも「Aさんが辞めるなら自分も辞める」と退職を表明した。
最終的に3人が同時に店を去る事態となった。
■“崩壊”した店舗の現在
Aさんによれば、退職後は店舗に立ち寄ることもなかったが、偶然再会した元警備員から「近隣に同業の新店舗ができたことや、店長のトラブルが重なり、客足が激減した」と聞いたという。
現在、残っているのは店長とその側近のみで、営業状況は大きく悪化しているとみられる。
■背景:飲食業界で相次ぐ人手不足
飲食業界では近年、人手不足が深刻化している。
厚生労働省の2023年「一般職業紹介状況」によれば、飲食店の求人倍率は2.53倍と高水準が続く。
専門家は「職場環境や管理職のマネジメント力が、定着率の鍵を握る」と指摘する。
■専門家の見解と今後
労働問題に詳しい社会学者・高橋健一氏は「パワハラや不適切なマネジメントは、職場崩壊と人材流出を招くリスクが高い。
経営者は現場の声に耳を傾け、早期に改善策を講じる必要がある」と警鐘を鳴らす。
飲食業界の人手不足は今後も続く見通しだが、現場の労働環境改善が喫緊の課題となっている。
読者の皆さんは、職場の人間関係やマネジメントについて、どのような経験をお持ちだろうか。
スカッとする話:パワハラ店長の下で人材流出、アルバイト現場の“崩壊” 現場で何が起きていたのか
パワハラ店長の下で人材流出、アルバイト現場の“崩壊” 現場で何が起きていたのか
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