十年前、友達のいない女子中学生だった私は、放課後を小さな図書館で過ごしていた。
ある日、不思議な小冊子「沈まぬ太陽」を見つけ、奇妙な押し花や絵が描かれたその本に引き込まれる。
ページをめくるうち太陽が人間を溶かす不気味な場面に遭遇し、突然意識を失う。
目覚めると、赤い空と黒い海の異界で釣り人や奇妙な生き物に出会い、鳥に襲われる恐怖も体験。
走り抜けた末、太陽が迫る中で再び意識を失い、病院のベッドで目覚める。
そこには臨死体験と同じ傷跡、寄せ書き、そして自殺した同級生Kの「沈まぬ太陽」の文字。
現実と裏世界の境界が曖昧になった私は、二度と作者不明の本を手に取らなくなった。
不思議な話：沈まぬ太陽と裏世界――図書館で出会った異界の記憶
沈まぬ太陽と裏世界――図書館で出会った異界の記憶
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