「雨の日に現れる女性」大学アパートで続く不可解な目撃　住人が語る不安と転居の決断

【アパート敷地内で「謎の女性」複数回目撃】
2023年春、関東地方の大学に通う男子学生グループが、友人の引っ越し先アパートで「不気味な女性」を相次いで目撃した。
本紙の取材で、現場となったアパートや関係者の証言から、その詳細が明らかになった。
不可解な存在は、雨天時に限って現れ、住民の生活に影響を及ぼしているという。

【雨の日に立ち続ける女性】
問題のアパートは、学生向けの3階建て集合住宅だ。
2023年4月、同大学2年のAさん（仮名）が入居した。
入居初日、友人3人が新居訪問のためアパートを訪れた際、階段脇の薄暗い通路で「黒い服を着た長髪の40代前後とみられる女性」を目撃したという。
同行していたBさん（仮名）は「雨の中、女性は一言も発せず、遠くを見つめたまま数時間その場に立ち続けていた」と語る。

【住人たちの証言】
当初は「住人の一人ではないか」と受け止められていたが、数時間後に再び通路を通った際にも、女性は同じ場所から動かず立っていた。
Aさんは「声をかけても返事がなかった」と振り返る。
住人グループの間では、その異様さから「不安を感じる」との声が広がった。

【「雨の日だけ現れる」異常性】
さらに取材を進めると、Aさんは「その後も雨の日には必ず女性が通路に現れ、晴れるといなくなる」と証言する。
複数回にわたり目撃されており、他の入居者も同様の経験をしていたことが分かった。
Aさんは管理会社に相談したが、「特段の被害がないため対応は難しい」との回答だったという。

【転居を決断した住人】
こうした状況を受け、Aさんは入居から半年足らずで転居を決断した。
「幽霊ではなく人間だと思うが、雨の日になると必ず立っているのは不気味だった」と明かす。
転居後も、同様の目撃情報は途絶えていないという。

【背景と現地の状況】
本紙が現地を訪れたところ、アパート周辺は住宅地で、トラブルや犯罪歴は確認できなかった。
近隣住民は「雨の日に黒い服の女性を何度か見かけた」と証言している。
防犯カメラの設置はなく、女性の正体や目的は依然として不明だ。

【専門家「心理的不安が生む実害」】
都市生活研究所の佐藤正樹主任研究員は、「このような不可解な人物が繰り返し現れる場合、実際の被害がなくとも住民の心理的ストレスは大きく、転居や生活の質低下につながる」と指摘する。
「管理会社は住民の不安を重視し、定期巡回や防犯カメラの設置など再発防止策を講じる必要がある」とも述べた。

【今後の見通しと課題】
現時点で女性の身元や目的は不明であり、警察への通報事例も確認できていない。
専門家は「不可解な人物が現れる場合は、記録を取りつつ、地域ぐるみで情報共有を進めてほしい」と助言する。
今後、住人や管理側の対応次第で、同様の事案が防げるかが問われることになりそうだ。